給料・年収

昇給率は平均何パーセント?今の勤務先は平均より下?

  • 今の勤務先で何年か働いているのに昇給していない
  • 他の企業がどのくらい昇給するものなのか気になる
  • 自社の昇給率が平均よりも低いのか知りたい

このような疑問を抱えていませんか?

昇給は働く上でのモチベーションの1つにもなるため、昇給しない状態が続くと精神的にも厳しいものがあります。

では、昇給とはそもそもどのような制度で、昇給率の平均はどの程度なのでしょうか。

昇給について詳しく見ていきましょう。

昇給とは?頑張っても昇給しない企業は違法?

はじめに、昇給という制度の概要について整理しておきましょう。

頑張っていても昇給しない企業には違法性がないのか、正確に理解しておくことが大切です。

昇給とは

昇給とは「給与額が上がること」です。

昇給する理由はさまざまですが、勤続年数に応じて自動的に昇給していく企業の場合、勤続給が上がることも昇給に含まれます。

また、昇進して役職手当が支給されることで月々の給与額が増えるのも、広い意味では昇給と捉えてよいでしょう。

昇給は月々の給与額の増額を指す言葉のため、特定の月だけ給与が上がるなど一時的なものは含まれません。

一度決まった給与額が改めて見直されるまでの期間、上がった給与額が固定されているのが「昇給」と考えてください。

昇給は大きく分けて2種類

昇給には大きく分けて2種類があります。

  • 定期昇給:勤続年数に応じて給与が上がる年功序列型の昇給
  • ベースアップ(ベア):労使協議などの結果、従業員全員の基本給が上がること

定期昇給額は従業員ごとの勤続年数によって差があるのに対して、ベースアップは全員一律という点が異なります。

定期昇給・ベースアップともに、従業員の給与を一度上げると何らかの特別な事情がない限り簡単に下げることはできません。

そのため、多くの企業は昇給に対して慎重な姿勢で臨みます。

とくに定期昇給に関しては給与規程であらかじめ昇給額や昇給する年齢を定めていることも少なくないのです。

頑張っても昇給しない企業は違法?

頑張って働いているにも関わらず昇給しない企業は違法ではないのか、疑問に感じている人もいるでしょうl。

結論としては、昇給は企業にとって義務ではないため違法ではありません。

たとえ長年働いた結果、昇給が0円だったとしても違法性はないのです。

ただし、従業員10名以上の企業では必ず「就業規程」を作成し、給与規程についても記載することが義務づけられています。

よって、就業規程や給与規程を確認すれば勤務先の昇給制度が確認できるわけです。

企業によっては、昇給制度を定めていても「業績により昇給を行わない場合もある」などと但し書きをしていることもあります。

いずれにしても、「昇給しない=違法とは言えない」と考えてよいでしょう。

昇給を実施する企業・昇給率の実態

実際に定期昇給を実施している企業はどのくらいあるのか、気になっている人もいるはずです。

また、昇給する場合の昇給率はどの程度なのか知りたい人もいるでしょう。

昇給の実態はどうなっているのか、具体的に見ていきましょう。

昇給を実施している企業の割合

経団連の調査によれば、2021年1〜6月に昇給・ベアともに実施した企業は全体の30.9%でした。

さらに、昇給のみ実施した企業は全体の69.1%だったことが分かっています。

つまり、約3割の企業は昇給・ベアともに実施、かつ約7割の企業は昇給を実施しているのです。

この結果を見る限り、何らかの形で昇給を実施している企業のほうが多いと言えます。

昇給が一切ない企業は、全体として見ると少数派と考えられます。

昇給率は平均何%?

前述の経団連による調査結果では、2021年の平均昇給率は1.96%、平均昇給額は6,038円です。

このうち昇給は1.84%、昇給額は5,672円だったのに対して、ベアは0.12%、昇給額は366円でした。

ベアに対してとくに慎重な企業が多く、定期昇給などによる給与アップ効果が高いことが分かります。

いずれにしても、昇給率は決して高くありません。

平均額を見る限り、月給が約6,000円、年収に換算すると約7万円上がっているというのが実態です。

おそらく昇給率・昇給額だけを見ると「たったこれだけ?」と感じる人が多いのではないでしょうか。

年収が増える要因は昇給よりも「賞与」

年収アップに繋がる要因として、実は昇給よりも重要な位置を占めているのが「賞与」です。

賞与支給が1ヶ月分×年1回の企業と、3ヶ月分×年2回の企業では、基本給が同じでも年収に大きく差が開きます。

仮に基本給が20万円とすると、1ヶ月分×年1回なら年間賞与額は20万円、3ヶ月分×年2回なら120万円です。

年収で見ると、100万円もの差がついていることが分かります。

昇給は「毎月の給与が上がる」という分かりやすさから注目されがちですが、実は年収アップに繋がる効果は限定的です。

年収アップを実現するなら、昇給よりも賞与のアップを目指すほうが現実的でしょう。

昇給しない・昇給率が平均よりも低い場合の対処法

現在の勤務先で一向に昇給する気配がない・昇給率が平均よりも低い場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

「昇給できない会社」と決め込む前に、次の手順を踏んで段階的に対処していきましょう。

勤務先に昇給制度があるか確認する

第一に確認しておきたいのは、そもそも勤務先に昇給制度があるかどうかという点です。

昇給制度そのものが明確に設けられていない場合、業績などを総合的に判断した上で不定期に昇給することが考えられます。

この場合、次はいつどのタイミングで昇給するかを予測するのは困難です。

先輩社員に過去の昇給実施状況について質問するなどして、実態を確認しておく必要があります。

昇給するための条件を調べる

勤務先に昇給制度があるようなら、昇給するにはどのような条件を満たす必要があるのか確認しておきましょう。

企業によっては、等級制度のように人事考課を昇給に反映する仕組みを採用している場合があります。

ただし、実態は勤続年数や年齢に応じて昇給していく年功序列型の制度という可能性もゼロではありません。

昇給の要件に年齢や勤続年数といった要素が加味されている場合、一定の年数が経たないと昇給できないこともあるのです。

一方、成果やスキルに応じて昇給していく仕組みであれば、求められる能力を身に付ければ昇給が実現する可能性があります。

資格取得や社内試験の合格が昇給に繋がることもあるので、昇給の条件を事前に把握しておくことが大切です。

昇給が期待できないようなら転職を検討する

もし勤務先が「昇給制度がない」「過去数年間に昇給した例がない」といった状況であれば、昇給は期待できないでしょう。

その場合、昇給するためには「転職して昇給制度のある企業に移る」ことが最も現実的な手段といえます。

できるだけ客観性の高い公平な人事評価制度のある企業を探し、転職を目指しましょう。

ただし、人事評価の詳しい仕組みや過去に昇給した事例など、企業の実態を把握するのは容易ではありません。

転職エージェントを通じて企業の内部情報をできるだけ詳しく把握した上で、応募先を検討することをおすすめします。

勤務先が昇給しない仕組みの企業だと判明したら

勤務先に昇給の仕組みがないことが発覚したら、具体的にどう行動すればよいのでしょうか。

昇給制度がないことに対して不満を持っていても、あなた自身のキャリアが好転することはありません。

次のポイントを着実に実践して、昇給するチャンスを得られる環境へと一歩一歩近づいていきましょう。

現状での自分の市場価値を把握する

昇給しない仕組みの企業で就業するデメリットは、給料が上がらないことだけではありません。

一般的に人材の市場価値と報酬は連動しているため、在籍期間が長くなればなるほど現状の正確な市場価値を把握しにくくなります。

自分自身の市場価値を高く見積もり過ぎるのも問題ですが、過小評価していてもキャリア形成に悪影響をもたらします。

まずは現状の自分が人材市場でどう評価されるのか、客観的に把握しておくことが大切です。

現状での市場価値を正確に把握するには、転職サイトのスカウト機能を活用するのが近道でしょう。

届いたスカウトの給与水準を見れば、現状の客観的な市場価値がおおよそ判断できます。

自覚している市場価値と客観的な市場価値に大きな開きがないことを確認しておくことで、ミスマッチを防ぎやすくなるのです。

転職エージェントに相談して客観的なアドバイスを得る

昇給しない仕組みの企業に勤務してきた人ほど、転職エージェントを活用する効果は高いといえます。

担当アドバイザーから見た場合の適正年収や、選考通過が期待できる企業を客観的に判断してもらいましょう。

その際、できるだけ複数の転職エージェントに登録して複数名の担当者からアドバイスを得ることが大切です。

2人以上のアドバイザーから同水準の評価を得たとすれば、その評価が現状の市場価値に近いと考えられます。

第三者から客観的なアドバイスを得ることで、自分では気づいていなかった強みやアピールポイントが見つかることもあるでしょう。

昇給による相対的な評価を得られなかった以上、第三者によるアドバイスを得ておくことは非常に重要なポイントといえます。

退職時に引き止められそうなら退職代行サービスの利用を検討する

従業員を積極的に昇給させない企業は、経営状態が思わしくない・業績が伸び悩んでいることも想定できます。

現状ぎりぎりの人員で業務が回っているようなら、退職時に引き止められることも十分に考えられるでしょう。

退職を強引に引き止められた場合、新たな職場の入社日までに退職手続きが完了しない恐れもあります。

実際、目先の人員を確保しておきたい企業ほど「後任者が見つかるまで」といった口実で退職を引き止めがちです。

もしスムーズに退職できそうにない空気が感じられたら、退職代行サービスを利用するのも1つの方法でしょう。

退職代行サービスに登録すると、基本的に翌日から出社する必要がなくなります。

引き継ぎや退職手続きに関しても、退職者自身が出社して対応する必要がないため、引き止められるリスクを軽減できるのです。

転職先が決まった人にとって重要なのは、今の勤務先を確実に退職して新たなキャリアへの一歩を踏み出すことのはず。

退職時に強く引き止められそうなら、退職代行サービスを活用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

昇給を実施している企業は全体の約7割近くにのぼることから、昇給できるチャンス自体は決して少なくありません。

しかし、昇給したとしても昇給額は決して多いとはいえず、大幅な年収アップを目指すのは難しいのが実情です。

年収アップを目指したいのであれば、昇給制度よりも賞与支給額に照準を合わせて転職先を検討しましょう。

また、昇給制度がない勤務先で働いている場合は、自身の市場価値を知る基準がないことも重大な問題といえます。

転職時には現状の市場価値をできるだけ正確に把握し、応募先や転職先とのミスマッチを防ぐことが大切です。

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