社風・企業文化

仕事をしない・できないベテラン社員が居座る企業の特徴

皆さんの勤務先には、仕事をしない・できないベテラン社員がいないでしょうか?

ろくに仕事をしていないにも関わらず若手社員よりも高給を得ているようでは、納得がいかないのも無理はありません。

今回は、仕事をしない・できないベテラン社員が居座る企業の特徴について解説します。

勤務先のベテラン社員の面々を思い浮かべながら、該当する特徴がないかチェックしてみてください。

仕事をしない・できないベテラン社員の特徴

はじめに、仕事をしない・できないベテラン社員によく見られる特徴を挙げてみます。

これらの特徴に当てはまるようなら、あなたの勤務先には仕事をしない・できないベテラン社員がいると考えてよいでしょう。

ITツールの使い方を覚えようとしない

仕事をしない・できないベテラン社員に見られる顕著な特徴の1つに、ITツールを使えない・使い方を覚えないことが挙げられます。

PCをはじめ、ビデオ会議やチャットツールといった比較的新しいツールがほとんど使えないような人はいませんか?

なぜITツールの使い方で仕事をしない・できないベテラン社員が見抜けるかというと、「昔は存在しなかったもの」だからです。

自分が若い頃にはなかったツールの使い方を覚えるには、少なからずエネルギーを要します。

しかし、普段から仕事をしない・できないベテラン社員はエネルギーを費やすことを全般的に嫌うのです。

自分が現状知っていること・理解できることの範囲内で対処したいので、新しいものは拒みたいというのが本音でしょう。

ITツールのような新しいものに拒否反応を示す人は、これまで経験したことのない仕事にも拒否反応を示す可能性があります。

現実には常に新しい仕事・経験したことのない仕事が次々に出てくるため、拒否するには「向き合わない」ほうが得策でしょう。

そのため、「できるだけ仕事をせず、省エネルギーで勤務する」人材ができ上がってしまうのです。

社内の人間関係や力関係など身内の事情には詳しい

仕事をしない・できないベテラン社員には、どういうわけか社内の事情にはやけに詳しい人が多く見られます。

新しいことに拒否反応を示す一方で、自分が知っていること・慣れ親しんできたことには執着しているからです。

たとえば、社内で誰と誰に確執があるのか、誰が誰に対して頭が上がらないのか、といった人間模様を熟知している傾向があります。

人間関係・力関係に詳しいので、自分に降りかかってくる厄介ごとを避けるスキルには長けている人が少なくありません。

ベテラン社員の中には、若手をうまく言いくるめて仕事を押しつけたり、面倒な仕事を任されないよう根回ししたりする人もいます。

当然ですが、こうした身内の事情にいくら詳しくても、売上に貢献したり企業としての成長に寄与したりすることはありません。

あくまでも自分中心に考え、あらゆる手段を講じて自分が楽に過ごせることを最優先しているのです。

仕事をしないため・ミスをごまかすための言い訳をするスキルは高い

仕事をしない・できないベテラン社員ほど、自分が仕事をしないで済ませたりミスをごかましたりする言い訳には熟練しています。

こうしたベテラン社員の目的は「自分が不利な立場にならないこと」に尽きるため、その場凌ぎに徹しているからです。

自分がミスをしても決して表沙汰にせず、どうにかして隠し通そうとする傾向があります。

悪質なケースでは、若手社員が同様のミスをするのを見計らって、まるで若手がミスをしたかのように偽装することもあるのです。

また、上司の目に触れる報告書などの文書作成は、上司が不備を指摘できないぎりぎりの線を狙うことにも長けています。

実際には全く内容のない報告書を作成しているにも関わらず、不備を指摘されやすい勘所だけは押さえているのです。

こうしたベテラン社員の行動が、保身や自己弁護から来るものであることは言うまでもありません。

仕事をしない・できないベテラン社員が居座る企業の特徴

仕事をしない・できないベテラン社員が居座ることは、組織にとってデメリットとなる可能性が高いはずです。

にも関わらず、こうした社員が残り続けているのはなぜでしょうか。

実は、企業の体質や文化にその原因が隠れていることがあるのです。

年功序列の人事制度が根強く残っている

年功序列の人事制度が根強く残っている企業では、仕事をしない・できないベテラン社員が居座りがちになります。

年齢や在籍年数に応じて昇給していくため、長く勤めれば勤めるほど「辞めると損をする」状況になっていくからです。

たとえば、入社3年目の優秀な社員よりも、入社20年目の仕事をしない社員のほうが給与が高いという状況が生まれます。

勤続手当や退職金も勤続年数に応じて増えていくことから、ベテラン社員ほど「定年まで在籍する」ことにこだわるのです。

結果的に若手の給料は上がりにくくなり、ベテラン社員が高給を取り続けることになります。

もし勤務先の給与体系に年齢給勤続給がという言葉が見られるようなら、年功序列寄りの人事制度の可能性が高いでしょう。

こうした人事制度が、仕事をしない・できないベテラン社員を生む原因となっているのです。

世間体などの体面・建前を重視している

世間体などの体面・建前を重視する企業文化の場合、仕事をしない・できないベテラン社員が居座りやすくなります。

年上というだけで偉いことになっていたり、一定の年齢に達すると部下が1人もいない役職者が現れたりする職場が典型的です。

こうした職場では「勤続年数が長い」ことが「ベテラン」の証となるため、長く勤務している特権が生まれやすくなります。

一例として、「何の仕事をしているのかが分からないベテラン社員」が社内にいないでしょうか?

役員の接待についていくだけの人や、目的のよく分からない出張が多い人は、実は仕事をほとんどしていない可能性があります。

実際には会社の経費で遊び、飲み食いしているに過ぎず、仕事をしている時間のほうが少ないこともあるのです。

ところが、世間体を重視する企業では「年長者だから許される」という論理がまかり通ってしまいます。

結果的に若手社員の元へ仕事が集中し、若手が長時間労働に苦しむことになりがちです。

経営者が情に脆い

経営者が情に脆い企業も、仕事をしない・できないベテラン社員が居座りやすくなります。

長く勤務してきたという理由で「今さら首を切るわけにはいかない」と情が湧き、能力不足でも見て見ぬふりをしているのです。

こうした経営者は、一見すると人間味のある好人物のように映るかもしれません。

しかし、このような企業ほどベテラン社員だけが残り、若手の出入りは激しかったりするのです。

会社の将来を担うのが若手であることは明らかですが、情に脆い経営者はベテラン社員に対して厳しい現実を突き付けられません。

実は経営者として合理的な判断ができなくなっているのですが、ベテラン社員からは感謝され支持されているケースも多いでしょう。

そのため、いつの間にか自分自身が正しい判断をしていると錯覚してしまいがちです。

経営者とベテラン社員が個人的に親しげな様子が見られるようなら注意する必要があります。

経営者は自分が悪役になる勇気がなく、組織が抱える問題を放置し対応を先送りにしている可能性があるからです。

仕事をしない・できないベテラン社員が居座る企業で働き続けるデメリット

勤務先に仕事をしない・できないベテラン社員が居座っていても、自分さえしっかり働いていれば問題ないと感じるかもしれません。

しかし、実はこうした企業で働き続けることは水面下でデメリットを被るリスクを抱えています。

想定される3つのリスクを具体的に見ていきましょう。

若手のうちは能力や成果に関係なく昇給しにくい

仕事をしない・できないベテラン社員が居座っている職場では、若手の給与水準が抑えられているケースが少なくありません。

ベテラン社員の生産性が低く若手社員の負担が増していたとしても、ベテラン社員の人件費確保が優先されているからです。

実際には若手社員の貢献によって組織が成り立っているような場合、ベテラン社員の待遇は相対的にいっそう高くなります。

若手は年齢が若いというだけの理由で昇給しにくく、ベテラン社員はたとえ貢献度や能力が不足していても高給を得られるのです。

若手のうちはどれほど能力が高かろうと、高い成果を挙げようと、昇給しにくい仕組みになっていると考えてください。

結果的に年収が実力よりも低くなりやすく、人材市場における市場価値も低く見積もられてしまうのです。

ポータブルスキルが身につきにくいことが多い

仕事をしない・できないベテラン社員が居座っている職場では、若手はベテラン層のフォローに徹する必要があります。

本来ならベテラン層が対処すべき業務も、若手の元へと回ってくるからです。

ベテラン社員が個別に抱えていた仕事の場合、その多くは属人性が高くローカルスキルしか身に付かないものがほとんどでしょう。

たとえば、ベテラン社員A氏の仕事を代わりにこなす場合、A氏が過去に携わってきた仕事のやり方を踏襲することになります。

仕事の進め方はA氏の理解度や業務知識に依存するため、他社でも通用する業務スキルではない可能性が高いのです。

こうした仕事のやり方をしていると、勤務先が変わっても通用するポータブルスキルがなかなか身に付きません。

結果的に「他社で通用しない」「転職できない」人材になりやすく、キャリアの可能性を潰されてしまいかねないのです。

思考が怠惰な方向に傾きやすい

仕事をしない・できないベテラン社員が居座っている職場では、「いかに楽をするか・手を抜くか」を考える人が増えていきます。

仕事に対して消極的なベテラン層を毎日のように目の当たりにしているので、若手の意欲も気づかないうちに吸い取られがちです。

すると、無意識のうちに思考が怠惰な方向に傾きやすくなります。

人間は本来怠け者です。

わざわざ大変な思いをしなくても生活費を得られることに気づくと、できるだけ楽をしようと考えるようになります。

新たな知識や情報を吸収することへの興味を失ったり、仕事でチャレンジ精神を失ったりしやすいのです。

こうした思考の癖がつくと、転職のようにリスクの高い選択はしたくないと考えるようになっていくでしょう。

結果的に自己研鑽を怠りがちになり、人材価値を高めるための努力を避けるようにもなりかねません。

意欲・実力のないベテラン社員がいる企業に入社してしまったら

もし意欲・実力のないベテラン社員が幅をきかせている企業に入社してしまったら、どう対処すればよいのでしょうか?

今後のキャリアを長い目で見た場合、職場の悪い面に影響されるのを極力防ぐことが大切です。

また、できるだけ早い段階で環境を変えることも検討していく必要があります。

具体的には、次の点を意識してキャリア形成を進めていきましょう。

転職市場における自身の市場価値を意識する

第一に重要なことは、現状の職場環境に埋もれてしまわないことです。

社外に目を向け、内輪のなれ合いに馴染んでしまわないように自己防衛していきましょう。

おすすめの方法としては、転職市場における自身の市場価値を常に意識することです。

適正年収診断の活用や求人動向のチェックを通じて、自分の希望条件と実態にどの程度の開きがあるのかを確認してください。

その上で、ギャップを埋めていくために必要な経験やスキルを身につけることを優先して仕事に取り組みましょう。

社内での評価ではなく、対外的な自分自身の評価を意識していくことが重要です。

社外の動向を注視し、内輪の空気に染まらないようにする

人材価値や求人動向といったキャリア関連の情報以外にも、広い範囲にわたって社外の動向に目を向けましょう。

こうすることで、内輪の空気に染まらずに自身の知識量やスキルレベルを客観視しやすくなるからです。

仕事をしない・できないベテラン社員の多くは、内輪話に関心を寄せます。

自分たちが慣れ親しんできたもの・すでに知っているものが主な関心事のため、内輪話は最適な話題だからです。

しかし、社内の話題に花を咲かせているだけでは視野は広がっていきません。

世の中で今何が起きているのか、今後どのような動きが予想されるのか、常に注視していくことが非常に重要です。

転職活動を進める際にも、こうした社外から得た知見が役立つ場面が多々あるでしょう。

直属の上司が仕事をしないタイプなら退職代行サービスの利用も検討を

仕事をしない・できないベテラン社員が直属の上司だとしたら、転職が決まり退職する際にもトラブルになる可能性があります。

この手のベテラン社員は面倒な事態への対処を嫌う傾向があるため、退職の申し出にもきちんと向き合わない可能性があるからです。

話をはぐらかしたり、「飲みに行こう」と誘って申し出を有耶無耶にしてしまうのは常套手段のため、十分に注意してください。

もし上司が退職の申し出に取り合わない・真剣に対処しない兆候が見られるようなら、退職代行サービスの活用も検討しましょう。

退職代行サービスを利用すると、退職者本人が直接関わることなく第三者に退職手続きを代行してもらえます。

退職に必要な手続きを淡々と進めてくれるので、上司に話をはぐらかされてしまう心配がありません。

トラブルなく退職することを優先するなら、退職代行サービスの活用も視野に入れておくことをおすすめします。

まとめ

仕事をしない・できないベテラン社員が居座ることは、若手社員にも間接的な悪影響を及ぼします。

ベテラン層の影響を受けるリスクを最小限に留めつつ、今後のキャリアを有意義なものにすることにエネルギーを集中させましょう。

もし今回紹介したベテラン社員の特徴に当てはまる人物が職場にいるようなら要注意です。

本記事で挙げたポイントを参考に、「染まらない」ための行動を意識してください。

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