今の勤務先に入社して半年経っていない時点で「辞めたい」「転職したい」と思い始めていませんか?
- 短期間で転職すると不利になるのだろうか?
- 今後のキャリアに悪い影響が及ぶのでは?
- そもそも転職先は見つかるだろうか?
このような不安や疑問を抱えている人が知っておくべきこと・対処するべきことについて解説します。
本記事を読めば、半年以内に辞めたくなった場合の対処法や考え方が整理できるでしょう。
ぜひ参考にしてください。
在籍半年以内で転職する3つのリスク
在籍半年以内で転職すると、具体的にどのようなリスクを負うことになるのでしょうか?
まずは想定されるリスクを把握した上で、転職するべきか続けるべきかを決めていく必要があります。
とくに知っておきたい重要なリスクは次の3点です。
応募先企業から「再びすぐに辞めてしまうのでは?」と思われやすい
在籍期間が短い人の場合、求人に応募した企業の採用担当者から敬遠される可能性があります。
たとえ採用しても、再び短期間で辞めてしまう恐れがあるからです。
企業としては、採用コストを回収するには入社後にしっかりと貢献してもらう必要があります。
短期間で退職されてしまうと、採用コストをかけた甲斐がなくなってしまうでしょう。
そのため、採用するからには長期間勤務してくれる人を優先的に採りたいと考えます。
短期間で離職した過去がある人材を採用することは、企業にとってリスクとなり得るのです。
本人に何らかの重大な問題があると思われる可能性がある
在籍期間が短い状態で転職意思を示す人を警戒する採用担当者もいます。
本人に何らかの重大な問題があり、仕事を辞めざるを得ない状況に陥っているのではないか?という目で見ているからです。
採用担当者の心理としては、次のようなことを想定するでしょう。
- 職場で良好な人間関係を築けないのでは(性格やコミュニケーション能力に関する問題)
- 業務遂行スキルが不足しているのでは(能力やスキルに関する問題)
- 1つのことが長続きしない性格なのでは(性分や行動の傾向に関する問題)
いずれにしても、自社で採用するにはリスクが高いと判断される可能性が十分にあります。
在籍期間が短いという事実そのものを問題視されかねないことを理解しておきましょう。
在籍期間中の実績や身についたスキルをアピールしづらい
在籍期間が短いと、担当業務で十分な成果を挙げられていない・仕事を覚え切れていないケースも多いでしょう。
前職までの実績を問われた際、直近でアピールできる実績やスキルが不足する恐れがあります。
中途採用の場合、即戦力ととして活躍できる人材を求める企業は少なくありません。
入社後に研修やOJTを長期間施さなくても、着実に結果を出してくれる人材を求めているのです。
現在の勤務先でまだ十分な戦力になっていないとしたら、応募先企業から見ても魅力的に映らないのは致し方ないでしょう。
アピール材料が不足しやすいことは、在籍半年以内で転職に踏み切る際のリスクといえるのです。
半年以内に辞めたくなった場合の対処法
短期間の転職にリスクがあることは、おそらく誰もが理解しているでしょう。
しかし、現実にはさまざまな事情から半年以内に辞めたくなることもあるはずです。
もし半年以内に辞めたくなったら、どのように対処するべきでしょうか。
次の3つの手順に従って、短期間で退職するデメリットをできるだけ軽減していくことが大切です。
1.辞めたくなっている原因を明確にする
はじめに整理しておきたいのが、「なぜ辞めたくなっているのか?」です。
退職を検討するほど今の仕事や職場に嫌気が差しているときは、「この職場は全体的に好きになれない」と思うかもしれません。
しかし、その中でも退職を考え始めた直接的なきっかけが何だったのか、一度冷静に振り返ってみてください。
上司や同僚とうまくいっていない、労働条件が劣悪だった、仕事内容に納得できないなど、さまざまな理由が挙がってくるでしょう。
辞めたくなっている原因を特定するコツは「この点が解消されるなら続けてもいい」と思えるかどうかです。
自分の中で優先度の高い「辞めたい理由」を明らかにしておくことで、後述する対策も講じやすくなります。
2.辞めたい理由を解消する方法を考える
辞めたくなっている理由が特定できたら、次にどうすれば解消できるかを考えてみましょう。
不満が一挙に解消できなくても、現状より少しでも良い状態にする方法はないかを模索してみるのです。
たとえば、上司と馬が合わないなら「自分から質問や相談をしてみる」「率先して動いてみる」などの方法が考えられます。
部下の動きに変化が見られたことを察知して、上司の対応も少々変わるかもしれません。
辞めたいと感じる理由を少しでも改善しようと努めたかどうかは、転職理由を伝える際にも重要なポイントの1つとなります。
不満が解消されて勤務を続けられる可能性もゼロではないので、まずは少しでも改善する方法を考えてみることが大切です。
3.辞めたい理由以外に続けるメリットを見出す
辞めたい理由以外にの面で勤務を続けるメリットが見つかれば、退職を急ぐ必要はないかもしれません。
たとえば、職場の人間関係に不満があっても、仕事内容にやりがいが見出せれば続けられる可能性もあるのです。
もし転職したとしても、新たな環境で不満に感じる点が必ず1つは出てくるでしょう。
不満をゼロにしようと試みるのは現実的ではないため、デメリットを上回るメリットを見つけていくのも大切な視点といえます。
また、自分自身の捉え方やものの見方によって印象が大きく変わることもめずらしくありません。
「人間関係がドライな職場」は、裏を返せば「自分の仕事に集中しやすい環境」と捉えることもできるのです。
辞めたい理由以外に良い点やメリットと思える点を見出すことが、今の仕事を続けるきっかけになる場合もあるでしょう。
半年以内に転職する場合に意識するべきこととは?
ここまでに紹介してきた対処法を試した結果、やはり転職・退職したほうがよいという結論に至ることもあるでしょう。
結論から言うと、在籍半年以内に転職すると不利になりがちです。
ただし、半年以内の在籍では転職できないということではありません。
次に挙げるポイントを意識して、短期間での転職につきまとうデメリットをできるだけ払拭していきましょう。
転職先は在職中に確定させておく
短期間で転職する場合の鉄則は「在職中に転職先を見つけておくこと」「内定を獲得した状態で退職を申し出ること」です。
半年以内に辞めたくなってしまうほどなら、今の職場に対して強い不満を抱えていることでしょう。
しかし、勢いで会社を辞めて退職後に転職活動に取り組むのはおすすめしません。
前述の通り、入社半年以内の転職活動は不利になりやすい傾向があります。
場合によっては書類選考を通過できない状況が続いたり、面接で不採用になったりすることも考えられるのです。
予想以上に転職活動が長期化することも想定されるため、転職先が決まっていない状態で辞めるのはハイリスクでしょう。
転職先は必ず在職中に確定させておき、「次が決まっている状態」で退職を申し出るのが基本と捉えてください。
複数の転職サイトに登録してスカウトの感触を確認する
具体的な転職活動の進め方としては、複数の転職サイトに登録してスカウトが受信できる設定にしておくのがコツです。
スカウトの件数や、声をかけてくる企業の質で自分の市場価値がある程度判断できます。
たとえば、希望年収を500万円以上に設定していた時にはスカウトがほとんど届かなかったとしましょう。
希望年収を300万円以上に下げるとスカウトが届き始めたようなら、市場価値が年収500万円に達していない可能性があります。
また、スカウトが届いた企業の業種・職種もこまめにチェックしてください。
現職と関連性の薄い業種・職種のスカウトが多く届くようなら、現状のスキルや業務経験はあまり評価されていないと考えられます。
裏を返せば現職の「色」があまり感じられないということなので、異業種や未経験職種に転職できるかもしれません。
転職サイト経由で届くスカウトの感触を確認することで、自身の市場価値や人材としての立ち位置を把握しておきましょう。
転職エージェントを活用して客観的なアドバイスを得る
転職サイトと並行して活用しておきたいのが転職エージェントです。
転職エージェントに登録すると専任のアドバイザーがつき、キャリア相談や選考対策を実施してもらえます。
在籍期間が短くても選考を通過できる確率の高い企業を紹介してもらえる可能性もあるため、ぜひ積極的に活用してください。
また、転職エージェントでは転職サイトには掲載されていない「非公開求人」を紹介してもらえます。
非公開求人は選考の競争率が低く、企業側が候補者を気に入れば短期間で内定を獲得することも可能です。
在籍期間が短い人ほど、転職エージェントを活用してプロの力を借りることをおすすめします。
半年以内に転職する場合の注意点
在籍半年以内で転職活動に臨む場合、いくつか注意しておくべき点があります。
中でも、次に挙げる3点は必ず押さえた上で選考を受けるようにしましょう。
面接で転職理由を聞かれた場合の回答を用意しておく
勤続期間が短い応募者に対して、「なぜ短期間で転職しようと考えたのか」をたずねるのは自然なことです。
採用担当者としては、短期間で退職してしまう人を採用するのはできるだけ避けたいと考えています。
そのため、面接では「勤続年数が短い」ことについて納得のいく説明が求められることは覚悟しておきましょう。
答える際のポイントは、ポジティブな回答を意識することです。
自分に「合わない」職場を選んでしまった点は認めた上で、今後取り組みたいことや挑戦したいことを伝えることをおすすめします。
採用担当者が知りたいのは、「この人を採用することで自社にどんなメリットがあるか?」という点です。
短期間で辞めようとしていることへの言い訳に聞こえないよう、未来志向で話をしていくほうが望ましいでしょう。
今の職場に対する不平不満を面接で話さない
短期間で転職を希望する人に多いパターンとして、今の職場に対する不平不満を話してしまうことが挙げられます。
たしかに直接的な転職理由は現職への不満かもしれませんが、面接での話題としては不向きです。
採用担当者は「この人を採用したら、当社にも不満を抱いて愚痴を言うようになるのでは?」と考えるでしょう。
半年以内に転職を希望する以上、何らかの不平不満を抱えていることは採用担当者も予測しているはず。
不平不満を直接的にぶつけるのではなく、「どうすれば解決できるのか」を考えていることを伝えるのがポイントです。
また、解決するための手段として転職がベストな選択肢だったことを、理路整然と話せるように回答を用意しておきましょう。
問題を解決するために努力した形跡が見られれば、むしろ好感を持ってもらえる可能性もあるのです。
退職を引き止められることも想定しておく
半年以内で退職を申し出た場合、引き止められるも想定しておく必要があります。
勤務先としてもコストをかけて採用した人材のため、数ヶ月で退職されてしまっては明らかに損だからです。
典型的なパターンは「まだ決めるのは早い」「仕事を覚えてすらいない」「転職しても通用しない」といった引き止め方でしょう。
申し出る相手が上司なら、飲みに行こうと誘われたりするかもしれませんが、基本的には断ったほうが得策です。
誘いを受けると上司と言葉を交わす機会が増えるため、情が移りやすくなります。
まさしく「情を移して辞めづらくする」ことが上司の狙いですから、上司を説得できる自信がなければ行かないのが正解でしょう。
しつこく退職を引き止められそうな雰囲気を感じる場合、上司を説得する自信がない場合は、退職代行サービスを利用しましょう。
退職代行サービスとの契約が成立すると、基本的に翌日から出社する必要がなくなります。
退職の申し出もその後の手続きも代行してもらえるため、あなた自身はほぼ何もしなくても退職できるのです。
とくに転職先への入社日が決まっている場合は、その日に間に合わせることのほうが先決でしょう。
短期間で退職する人にとって、退職代行サービスを利用するメリットは大きいといえます。
-
-
退職代行サービスはトラブルの元?確実に辞める方法とは?
近年、勤務先を退職する際に「退職代行サービス」を利用する人がじわじわと増えていることをご存知でしょうか? 日本労働調査組合の調査によれば、退職代行サービスの認知率は63.9%、利用経験者は約3割にもの ...
続きを見る
まとめ
半年以内など短期間で転職しても、問題なく次のキャリアをスタートできた人は数多くいます。
ただし、退職と転職の順序を間違えたり、強く引き止められて言いくるめられてしまったりしないよう注意しなければなりません。
今回解説してきたポイントを参考に、必要な対策を着実に講じていきましょう。
きちんと準備して臨めば、入社後半年以内の転職でも次のキャリアを築いていけるはずです。