人間関係

理不尽な指示を出す上司の心理・理由・対処法

  • 上司が理不尽な指示ばかり出してきてストレスが溜まる…
  • 自分だけ理不尽な扱いを受けていて納得がいかない…

こんな悩みやモヤモヤを抱えていませんか?

職場では部下が上司を選ぶことができないため、上司との関係性は悩みやストレスに直結しやすい要素といえます。

では、なぜ上司は理不尽な指示を部下に与えてしまうのでしょうか。

また、上司の理不尽な指示に対してどのように対処していけばよいのでしょうか。

この記事では、理不尽な指示を出す上司の心理状態や具体的な対処法を解説しています。

上司の「扱い方」に関するヒントを得ることで、ぜひ職場でのストレス軽減につなげてください。

理不尽な指示を出す上司によくあるパターン

部下に対して理不尽な指示を出しがちな上司には、いくつかのパターンがあります。

今現在、まさに自分自身がそのような上司の下で働いているという人もいるでしょう。

理不尽な指示を出す上司の典型的なパターンを見ていきましょう。

指示が二転三転して振り回される

部下は基本的に上司の指示にもとづいて仕事を進めます。

指示が二転三転すれば、当然の結果として部下は混乱するでしょう。

場合によっては、せっかく進めてきた仕事が無駄になってしまい、やり直さざるを得なくなることもあるはずです。

人が仕事への意欲をなくす原因の1つに「役に立っていない・貢献できていない」と感じることが挙げられます。

上司の指示通りに仕事を進めたにも関わらず、その仕事が無駄だったと気づいたときの徒労感は筆舌に尽くしがたいものがあります。

指示を二転三転させて部下を振り回すのは、「理不尽な上司」の典型といえるでしょう。

明らかに多すぎる・難しすぎる仕事を回される

部下の技量に対して明らかに不釣り合いな仕事を任せるのも、理不尽な上司の特徴です。

上司であれば、部下のスキルや業務知識のレベルはおおよそ把握しているはず。

多すぎる仕事量や難易度の高すぎる仕事を振っているとすれば、意図的にやっている可能性が高いでしょう。

結果的に仕事をこなし切れなかったり、質の低い仕事になったりすれば、周囲からの評価も下がってしまいます。

上司との関係性という範疇を超えて、職場に居づらくなってしまう可能性も否定できません。

自分だけが明らかに多すぎる・難しすぎる仕事を任されているようなら、理不尽な指示を出す上司に該当するでしょう。

機嫌の悪さなど感情が言動に表れてしまう

上司の気分しだいで言葉尻が優しくなったり刺々しくなったりするようなら、理不尽な上司に当てはまる確率が高いといえます。

上司の機嫌が良いかどうかは、部下にとって関係のないことです。

部下がコントロールできない要素のため、上司の機嫌1つで振り回されることになります。

もちろん上司も人間ですので、機嫌が良い日も悪い日もあるでしょう。

問題は、機嫌の悪さがストレートに態度や言葉に表れてしまうことです。

職場というオフィシャルな空間で働く以上、機嫌の悪さを表に出してしまうのは本来マナー違反にあたります。

こうしたタイプの上司に当たってしまうと部下は常に上司の顔色をうかがうようになり、萎縮してしまいかねません。

上司はなぜ理不尽な指示を出してしまうのか

理不尽な指示を出す上司に苦手意識を持っている人もいるはずですが、上司の心理状態についても考えてみましょう。

なぜ上司は理不尽な指示を部下に出してしまうのでしょうか。

これには主に3つの理由が考えられます。

上司自身が力量不足で手一杯になっている

部下に理不尽な指示を出してしまう理由として多いのが、上司自身が自分の仕事で手一杯になっているパターンです。

管理職経験の浅い上司や、自身も実務を担当しながらマネジメントに携わっているプレイングマネージャーによく見られます。

そもそも上司が抱えている仕事量が多いために、部下に対して適切な指示を出す余裕がないのです。

結果的に曖昧な指示を出してしまったり、人選を誤って適切ではない担当者を指名したりする傾向があります。

この手の上司は、根本的に「他力本願」です。

部下に指示しておけば何とかしてくれると思っているので、部下の動きが望み通りでないと激昂することがあります。

しかし、原因が部下の側にはない可能性も十分にあるため、叱責されても卑屈になる必要はありません。

もし上司が常に「忙しい」と言い続けているようであれば、本人の力量不足を疑うべきでしょう。

感情的になりやすく立場の弱い相手が標的になっている

上司自身の性格が、理不尽な指示へとつながっていることもあり得ます。

感情的になりやすく、ストレスのはけ口を立場の弱い相手に向ける傾向があるため、部下は格好の標的となりがちです。

上司自身が出した指示でさえも、機嫌が悪くなれば平気で撤回して別の指示を出してくる可能性があります。

このように、職務上の立場の違いを利用して相手を追い詰める行為はパワハラそのものです。

しかし、上司と部下の場合は業務上必要に迫られて出した指示なのか、感情的になって発言したのかが区別しにくい面があります。

実際には部下がストレスのはけ口になっていたとしても、パワハラ案件として表面化しにくいのがタチの悪いところです。

あえて部下に背伸びをさせて成長を促している

上司によっては、理不尽だと認識しながらあえて指示していることもあります。

部下に負荷をかけて背伸びをさせたほうが、結果的に本人の成長につながると信じているケースです。

もちろん、仕事で経験を積むには無理をしなくてはならないことも少なくありません。

しかし、あまりにも部下自身にとって負担が大きすぎないか配慮するのも上司としての務めでしょう。

このタイプの上司の中には、過去に負荷の高い仕事を部下に任せたことで実際に部下が成長した成功体験を持つ人もいます。

以前の部下に有効だった育成方法が、どの部下にも効果を発揮するとは限りません。

上司としては「部下のためを思って」指示しているのかもしれませんが、本当に部下のためになるかどうかは程度問題でしょう。

背伸びをさせたほうがよいと考える上司は、部下が潰れても「本人の能力不足」と割り切ってしまう可能性があります。

よって、上司が理不尽な指示を改めたり、部下への接し方について反省したりする確率は低いと考えざるを得ないのです。

理不尽な指示を出されたときの対処法

上司から理不尽な指示を出された場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

対処する際の重要なポイントは「上司自身の言動を改めてもらおうとは考えない」ことです。

上司の発言や行動は上司自身の問題であって、部下が働きかけることで変えられるものではありません。

考えられる対処法として、次の3点が挙げられます。

指示が曖昧な点や疑問点を整理して質問する

理不尽な指示によく見られるのは、指示事項が曖昧だったり情報が不足していたりするパターンです。

端的にいえば「指示の仕方が悪い」のですが、だからといってすぐに質問をするのは得策ではありません。

理不尽な指示を出す上司ほど「自分で考えなさい」などと反論するケースが少なくないからです。

そこで、指示が曖昧な点や疑問点を整理し、理論武装しておくことをおすすめします。

不明点を列挙すれば、暗に「あなたの指示は曖昧で分かりにくい」「これでは部下が的確に動けない」と伝えることができます。

上司への質問は周囲から聞こえる場所で、理路整然と伝えるとより効果的でしょう。

やり取りを聞いている同僚は「上司に原因がある」「部下が気の毒だ」と感じる可能性が高いからです。

無理のない範囲で指示に従い周囲の理解を得る

不明点や疑問点を質問したからといって、上司の理不尽な指示がすぐに改善するとは限りません。

そこで、できるだけ不明点の解消を試みた上で、無理のない範囲で指示に従ってみましょう。

多すぎる仕事量を振られた場合など、こなし切れないようであれば、あくまでも「無理のない範囲内」で構いません。

重要なポイントは、上司の指示を忠実に守って働いた結果、部下がどのような状況に陥っているかを周囲に知ってもらうことです。

現状は上司の標的になっていない人でも「明日は我が身」と感じ、上司に対してネガティブな感情を抱くでしょう。

決して怠けたり手を抜いたりしたのではなく、上司の指示に従っていることを周囲に理解してもらうことが大切です。

信頼できる同僚や先輩社員に相談する

身近な同僚や先輩社員のうち、信頼できる人に上司の理不尽な指示について相談してみましょう。

上司によっては部下ごとに対応を使い分けており、理不尽な振る舞いをする人だと案外知られていないこともあります。

また、上司と部下の間で起きていることは表面化しにくいケースもあるため、事実を知ってもらうことは非常に重要です。

問題の上司と同じかさらに上の立場の人であれば、上司の言動を見とがめて注意を促してくれるかもしれません。

または、上司に対して「裏でそんなことをしている人なのか」という目で見る社員が増え、上司の立場が悪くなることもあり得ます。

理不尽な指示を自分一人で処理しようとして、悩みを抱え込まないことが大切です。

理不尽な上司の下で耐えるより環境を変えるべき3つの理由

前述の対処法を試した結果、上司の理不尽な指示が一向に改善されないようなら、職場を変えるのも1つの考え方です。

理不尽な上司の下で耐えながら働き続けていると、得られるメリットよりも被るデメリットのほうが多くなる可能性が高いでしょう。

具体的には、次の3つの理由から「現状維持よりも退職・転職」が得策といえます。

理不尽に耐えても解決・改善しない可能性が高い

上司か自分自身のどちらかが近い将来異動する可能性が低い場合、理不尽に耐えても状況は変わらないでしょう。

一度築かれた人間関係は、よほど決定的な出来事でもない限り大きく変わることはないからです。

上司の目から見ると、理不尽な指示を与えても職場に残る部下は「理不尽な扱いをしてもよい相手」として映ります。

結果的として、状況は改善するどころか悪化していく可能性が高いのです。

今後も同じ上司と働き続けていくしかないようなら、「環境ごと変える」ことを視野に入れておくほうが得策でしょう。

本質的な成長やスキルアップを阻害されている可能性がある

理不尽な指示に耐えて働くことは、自身の成長やスキルアップにも悪影響をもたらします。

本来、的確な指示の下で働いていれば、今後必要となる業務知識やスキルが身についていたかもしれません。

理不尽な指示に振り回されている間に、こうした貴重な時間を削がれて成長やスキルアップを阻まれてしまうのです。

長い目で見ると、理不尽な指示が続くことはキャリアに多大な影響を及ぼす恐れがあります。

社員の成長やスキルアップを注意深くサポートしてくれる職場は数多くあるので、あえて劣悪な環境で働き続ける必要はありません。

ストレスが重なると心身の不調につながる恐れがある

理不尽な指示によってストレスを抱えているようなら、いずれ心身の健康に支障をきたす恐れもあります。

典型的な症状は「うつ」です。

うつに罹ると、たとえ職場を離れて上司と関わりがなくなったとしても、すぐに元の状態に戻らなくないことも多いのです。

こうなると、新たな環境で仕事を始めようとしても心身の不調が原因で行動に移せなくなってしまいます。

上司にとっては何人もいる部下のうちの1人でも、自分にとって自分の体や心は1つしかない大切なものです。

ストレスが折り重なって心身に変調をきたす前に、環境を改善して心身の健康を取り戻すことは非常に重要です。

威圧的な言動が目立つようなら退職代行サービスの活用を

理不尽な指示を出す上司にもさまざまなタイプの人がいますが、威圧的な言動やパワハラが目立つようなら注意が必要です。

意を決して退職を申し出ても、まともに取り合ってもらえなかったり逆ギレされてしまったりする恐れがあります。

部下に平気で理不尽な指示を出している時点で、モラルの意識が低い人物の可能性もあるでしょう。

退職や転職の決心がついたら、確実に退職するための手段を講じることに集中するほうが得策です。

上司に退職を申し出てもスムーズに退職できる見込みが薄いようなら、退職代行サービスを活用することをおすすめします。

退職代行サービスに申し込んだ後は、基本的に勤務先と連絡を取り合う必要はありません。

退職手続きを代行してもらい、これ以上のストレスを抱えることなく次のキャリアへと踏み出していきましょう。

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まとめ

部下に理不尽な指示を出す上司は、多かれ少なかれ上司自身が問題を抱えていることは明らかです。

しかし、部下という立場である以上、上司の言動や考え方を変えるのは困難と言わざるを得ません。

理不尽な言動が日常的に見られるにも関わらず、放置している会社にも問題があるといえるます。

しかるべき対処を講じたら、それ以上の負担やストレスを抱えないための対策へと切り替えたほうがよいでしょう。

今回解説してきた対処法を試した結果、職場環境ごと変えるべきかどうかを慎重に見極めてください。

熟慮した結果、退職や転職に踏み切ったのであれば、いずれ「決断してよかった」と思える日が来るはずです。

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