- 職場のお局様から嫌味を言われるなど、モラハラ・パワハラを受けている
- お局様との接し方・距離の保ち方を知りたい
- うまく付き合うか、スルーするべきか上手な対応方法を知りたい
上記のようなことで悩んでいませんか?
職場で有形無形の影響力があるベテラン社員に目を付けられてしまうと、何かと辛い思いをしがちです。
今回は、職場の「お局様」の標的になりやすい人の特徴や、お局様の標的になるのを回避する方法について解説します。
解決が難しいと思われる場合の対処法も併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
お局の「標的」になりやすい人の特徴
はじめに、お局様の標的になりやすい人の特徴を整理しておきます。
もし現在、自身がお局様の標的になっていると感じるようなら、次の特徴に当てはまっていないかチェックしてみましょう。
おとなしくて気が弱そうに見える
お局様は基本的に、標的を「選んでいる」と考えてください。
嫌味を言ったり冷淡な態度を取ったりすることで、自分自身の立場が不利になるのは避けたいと思っているからです。
そのため、職場の人間関係(とくに力関係)については慎重に見極めた上で標的に狙いを定めています。
おとなしくて気が弱そうな若手社員なら、いじめても反撃される心配はないと見なされるケースは少なくありません。
強い性格の人や率直にものを言う人を標的にするのは避け、言い返してこない可能性が高い人を狙い撃ちにしているのです。
お局のコンプレックスを刺激する属性
お局様にとって手に入らないもの・羨ましいと感じるものを持っている若手社員は標的になりがちです。
たとえば、次のような属性の人はターゲットになりやすいでしょう。
- 若い
- 容姿が良い
- 既婚者である
- 子どもがいる
- 暮らしぶりが並以上
- 高学歴である
お局様は、自分自身がこれまでに経験してきた苦労は若手も味わうべきだと考える傾向があります。
よって、境遇が恵まれている(ように見える)人に対して、「恵まれている分、苦労させたほうがよい」と捉えるのです。
お局様のコンプレックスを知らず知らずのうちに刺激しているために、標的にされやすいと考えられます。
仕事の能力が低すぎる・高すぎる
仕事の能力が低すぎても高すぎても、お局様の標的になりがちです。
仕事ができない場合は「先輩として指導する」という大義名分があることから、いじめの温床になりやすいのです。
一方、仕事の能力が突出して高い人もお局様に狙われやすい傾向があります。
自分よりも若い社員の評価が高まると、自身の立場が危うくなると感じるからです。
よって、能力面で目立つ要素のある人は標的にされやすいと考えられます。
能力が高い・低いという判断は主観にもとづいており、しかも判断基準がお局様自身であることがやっかいな点です。
お局との関係修復が不可能に近い理由
もしすでにお局様の標的にされているという自覚があるようなら、関係を修復することはほぼ不可能に近いと考えてください。
人によっては「お局様に気に入られる方法はないか?」「仲良くなったほうが良いのだろうか?」と考えるかもしれません。
しかし、次に挙げる3つの理由から、そういった努力は実を結ばない可能性が高いのです。
理由①:お局の中での「正義」がズレているから
若手社員に対して嫌がらせをしたり、冷たい態度を取ったりするベテラン社員は、そもそも感覚がズレています。
長年同じ組織に属しているために、内輪の世界しか目に入らなくなっているのです。
そのため、「若手社員はベテランよりも格下」「勤続年数が長いほうが偉い」といった歪んだ価値観に染まり切っています。
お局様が「正しい」と捉える感覚も独特で、後輩をいびっていることが正しい行為だと錯覚していることさえあるのです。
そもそも「正義」が世間一般の「正義」とは大きく異なるため、相手に合わせようとしても思考が理解できないことが多いでしょう。
お局様との関係性を修復しようとすると「媚を売っている」などと捉えられてしまい、かえって事態を悪化させてしまいかねません。
理由②:年齢や勤続年数が逆転することはあり得ないから
お局様の論理では、年齢が高い社員・勤続年数長い社員は若手よりも立場が絶対的に上ということになっています。
これは古参の社員にとって有利な論理と言えるでしょう。
なぜなら、お局様自身が退職しない限り、若手社員との間で年齢や勤続年数の差が埋まることはないからです。
お局様が先に入社している以上、現状在籍している社員も今後入社してくる社員も、全員が自分よりも格下と約束されています。
お局様はこうした「特権」を手に入れたつもりになっているため、将来にわたって自分の思い通りに物事を進めようとするでしょう。
若手社員が関係性を修復しようと努力することが、お局様に「自分が優位に立っている」といっそう思い込ませる原因になるのです。
理由③:年数が経つほどお局が優位な立場になっていくから
お局様の中には、上長や役員よりも自分のほうが年上だったり、勤続年数が長かったりする人もいるでしょう。
平社員であるにも関わらず社長とタメ口で話したり、管理職を「くん」付けで読んだりするのも、自身の立場を誇示するためです。
こうした傾向は、年数が経つほどにエスカレートしていくと予想されます。
今後さらにお局自身の年齢が高くなっていき、周囲は自分よりも若い社員ばかりになっていくでしょう。
ある段階で急に改心して理想的な先輩社員になるという可能性は、残念ながら極めて低いと言わざるを得ません。
よって、時間が経てば経つほどお局様との関係修復は困難になっていくと考えるほうが自然です。
お局にとって「面倒な人」になる方法
お局様の嫌がらせや威圧的な対応を回避する手段の1つに、お局様にとって「面倒な人」になるという方法があります。
具体的にどうすれば「面倒な人」になれるのか知りたい人のために、3つの方法をピックアップしました。
発言力のある社員や役員と親しくなる
社内で発言力のある社員や役員と親しくなることで、お局様はあなたをターゲットにしづらくなるはずです。
お局様は常に社内の力関係を注意深く観察しています。
叩く相手を間違えてしまうと、自分の立場が悪くなりかねないからです。
重要なポイントとして、親しくなる相手の役職は最重要事項ではありません。
むしろ、お局様にとって「敵に回したくない」タイプかどうかのほうが重要です。
こうしたタイプの人との交流を深めていくことで、お局様はあなたの背後にその人がいると認識するようになります。
あなたに嫌がらせをしたり、威圧的な態度を取ったりすれば「敵に回したくない人」の耳に入ってしまうかもしれません。
よって、お局様のターゲットからは外れる確率が高くなるのです。
「一線を越えたら怖い」キャラになる
一度だけでいいので、お局様に対して強気な態度で接してみるのも1つの方法です。
たとえば、嫌味を言われた際に「そういう言い方は失礼だと思いますよ」と、面と向かって言い放ってしまいましょう。
お局様があなたのことを「おとなしいタイプの人」と認識していた場合、内心かなり驚くはずです。
言い返されることは想定していない可能性が高いため、「一線を越えたら怖い」と印象づけることができます。
ポイントは、周囲が聞いていても明らかに失礼なことを言われたと分かる場面で言い返すことです。
あなたが一方的に反抗しているのではなく、お局様の側に非があると分かれば、どちらの立場が悪くなるかは明らかでしょう。
お局様はその場では平静を装っていたとしても、「一線を越えたら怖い人」と認識することで標的から外す可能性があります。
第三者に介入したもらう
職場のハラスメント相談窓口や人事部など、第三者に介入してもらう方法もあります。
この場合、「いつ何をされたのか」を記録として残しておくことが非常に重要です。
言われたことをできるだけ忠実にメモしておき、日付と時刻とともに記録していきましょう。
近年、パワハラやモラハラに対して世の中は非常にシビアな目を向けています。
お局様が「今まで通り」のつもりで続けていることでも、現在では一線を越えていると見なされる可能性は十分にあるのです。
1つ1つの言動は重大なことではなくても、日常的に行われていると分かれば職場としても放置しておくわけにはいかないでしょう。
お局様は自分の立場が危うくなることを恐れているため、第三者に介入してもらうのは有効な方法の1つといえます。
お局問題が深刻なら退職・転職も視野に入れよう
お局問題が深刻なレベルに達していて、容易に解決できそうにないようなら退職・転職も視野に入れましょう。
特定の人物によって働きづらい環境になっているのであれば、環境を変えることで問題が解決できる確率が高いからです。
ただし、退職・転職時にはいくつかの注意点があります。
次のポイントを押さえた上で、計画的に転職活動を進めましょう。
人間関係ではなく仕事のしやすさを転職理由にする
転職理由を考える際には、人間関係を挙げるのではなく「仕事のしやすさ」という切り口にすることをおすすめします。
特定の社員と「合わない」ことが転職理由の場合、応募先企業は高確率で警戒するはずです。
合わない相手との間に何があったのか詳細が分からない以上、あなた自身にも問題があるのでは?と思われる可能性があります。
一方、より働きやすい環境を求めて転職を決意したのであれば、転職後を見据えて前向きに考えていることが伝わるでしょう。
このように、転職理由はポジティブ変換することで印象をより良くすることができます。
もし可能であれば、お局問題以外にも転職を通じて解決したい課題がないか、転職理由を整理してみてください。
在職中に転職活動を進めておく
お局問題でストレスを抱えていたとしても、いったん辞めてから転職活動に専念するのはあまりおすすめしません。
退職した日から、転職希望者ではなく失業者という扱いになるからです。
もし転職先がなかなか決まらない期間が長引くようなことがあれば、焦って安易な判断をしやすくなる恐れもあります。
転職活動がうまくいかなかった場合のことを考えて、現在の職場に留まるという選択肢も残しておくことは非常に重要です。
退職を申し出るのは、転職先を確保してからでも決して遅くはありません。
お局が直属の上司なら退職代行サービスの活用も検討する
問題のお局様が直属の上司の場合、退職を言い出しづらいこともあるでしょう。
部下が退職を申し出た場合、個人的な感情とは切り離して退職手続きに応じるのが一般的な対応です。
しかし、相手によっては退職を申し出たことによっていっそうパワハラに拍車がかかることもないとは言い切れません。
この場合、退職代行サービスを活用して退職するという方法があります。
退職代行サービスとの契約が成立すると、基本的に翌日から出社する必要がなくなります。
退職の申し出をはじめ、必要な事務手続きを代行してもらえるため、あなたがやるべきことは郵送のやり取りのみです。
ただし、退職代行サービスが対応できるのは「手続きの代行」のみという点に注意しましょう。
職場側が退職の申し出を拒否した場合、交渉や協議に応じることは基本的にできません。
交渉や協議が必要になった場合に備えて、弁護士や労働組合が運営する退職代行サービスを活用するほうが無難です。
退職代行サービスの選び方については、次の記事で詳しく解説しています。
こちらもぜひ参考にしてください。
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まとめ
お局問題は多くの職場に存在します。
もし不幸にもお局様の標的になってしまったら、今回紹介してきた対処法をぜひ試してみてください。
ただし、対処できる範囲には限度があります。
必要に応じて転職・退職を検討し、自分自身のキャリアをお局様に潰されないよう自衛していくことが大切です。