転職・退職

契約社員から正社員になれる?なれない人&企業の特徴

  • 契約社員として働いているが、できれば正社員になりたい
  • 正社員登用はハードルが高いと聞いて不安になっている
  • 勤務先が正社員になれない企業の特徴に当てはまっているか知りたい

上記のように考えたことはありませんか?

この記事では契約社員から正社員になれるのか、さまざまな角度から検証していきます。

正社員になりたい人が取るべき行動についてもポイントを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

契約社員から正社員になれる?実際に正社員登用された人の割合

はじめに、そもそも契約社員から正社員になれた人がどのくらいいるのか、実際のデータを確認しておきましょう。

正社員になれた人の割合と平均年齢、正社員登用の割合が高い業種について解説します。

正社員への転換の割合

2017年に厚生労働省が公表した「労働経済分析レポート」によれば、非正規雇用から正規雇用に転換した人の割合は5.5%です。

男女別に見ると、男性は平均9.2%、女性は平均3.4%という結果が出ています。

この数字を見る限り、契約社員から正社員になれる確率は低いと言わざるを得ません。

非正規雇用には契約社員以外にもアルバイトやパート、派遣社員なども含まれています。

つまり、契約社員にだけ限った場合、正社員への登用率は5.5%よりもさらに低いと考えられるのです。

正社員登用された人の平均年齢

正社員登用された人を平均年齢別に見ると、30代前半までの割合が高いことが分かります。

出典:厚生労働省「労働経済分析レポート 正規雇用へ転換した方の特徴と影響」2017年8月9日

平均値と比較した場合、男性は55歳以降、女性は45歳以降に正社員になるのが厳しくなると考えられます。

ただし、最も割合が高い24歳以下の男性でさえも正規雇用転換率は14.9%と、かなりハードルが高いのが実情です。

契約社員から正社員への登用は若いほうがやや有利になるものの、全体として確率は低いと考えたほうが無難でしょう。

正社員登用の割合が高い業種

正社員登用率は業種によって差が見られます。

正規雇用への転換率が高いのは運輸業、建設業、情報通信業、教育・学校支援、公務などです。

出典:厚生労働省「労働経済分析レポート 正規雇用へ転換した方の特徴と影響」2017年8月9日

反対に、飲食店・宿泊業や金融・保険業は正規雇用転換率が低いことが確認できます。

現在、自分が働いている業種の正規雇用転換率を把握しておくと、難易度が平均よりも高いのか低いのかが分かるはずです。

ただし、上記はあくまでも全体的な傾向ですので、実際には企業によって正社員に登用される可能性の高さは異なります。

よって、契約社員から正社員に登用されにくい人や企業の特徴を知っておくことが大切です。

契約社員から正社員になれない人の特徴

前述の通り、契約社員から正社員になれる人はごく一部に限られています。

正社員になれないのは評価されていないからではなく、一般的な傾向としてそもそも正社員登用のチャンスが少ないのです。

ただし、中には正社員登用のチャンスを逃しやすい人もいるのは事実。

そこで、正社員になれない可能性が高い人に多く見られる特徴を確認しておきましょう。

総合職向きではない

総合職向きではないと見られやすいタイプの人は、契約社員から正社員になりづらい傾向があります。

多くの企業では総合職を正社員として採用し、一般職や専門職を契約社員などの非正規雇用で採用しています。

契約社員から正社員への登用を検討する場合、総合職としての適性が十分にあると判断している可能性が高いのです。

総合職とは、将来的に管理職など幹部に登用することを見据えて育成していく人材のことを指します。

ジョブローテーションを通じてさまざまな業務を経験し、ゼネラリストとして成長していくことが求められています。

しかし、人によっては特定の業務に従事していたほうが能力を発揮できる人もいるでしょう。

こうした人は正社員に登用するよりも、現状通り契約社員として働いてもらうほうが企業としてはメリットが大きいと考えられます。

現状は必要なスキルであっても、事業環境が変われば必要性が下がることも想定できるからです。

そのため、総合職向きではないと見られやすいタイプの人は正社員に登用される確率も低くなりがちです。

スキルセットが偏っている

スキルセットが特定の分野に偏っていて、いろいろな仕事に幅広く対応するのが苦手な人も正社員登用の確率は低いと考えられます。

一例として、ITエンジニアのケースで考えてみましょう。

プログラミングスキルが一定レベルに達している人材は、コーディング指示書に従ってコードを書いてもらうには適任です。

しかし、PLやPMといったマネジメント層へとステップアップしてもらうには、コードを書けるだけでは十分とはいえません。

メンバーと適切にコミュニケーションを図り、チームやプロジェクトをまとめ上げていく能力が問われるからです。

この場合、プログラミングスキルが高くても人と円滑なコミュニケーションが図れない人はステップアップするのは難しいでしょう。

結果として、契約社員としてコードを書き続けることになりがちです。

反対にプログラミングスキルはあまり高くなくても、チームを統率する能力に長けている人はPLやPMに抜擢される傾向があります。

スキルが高ければ正社員に登用されるわけではなく、汎用的にいろいろな業務に対応できるかどうかがカギを握っているのです。

性格や言動が偏っている

性格や言動が偏っているように映りやすい人は、正社員登用されにくい傾向があります。

正社員と契約社員の最大の違いは「無期雇用か有期雇用か」という点です。

正社員に登用すれば無期雇用となるため、基本的に本人の意思で退職を申し出ない限り雇用契約が継続します。

つまり、企業にとって「今後もずっと一緒に働いていく人材」となるのです。

しかし、性格や言動に極端な面がある人の場合、「この人とずっと一緒に働くのはちょっと…」と思われやすい面があります。

経営者や管理職も人間ですので、できればバランスの取れた人と一緒に働きたいと感じるのは自然な心境でしょう。

性格や言動は仕事の能力と直接関係がないと思うかもしれませんが、実は正社員に登用する上で重要な判断ポイントの1つなのです。

契約社員を正社員に登用しない企業の特徴

契約社員を正社員に登用しないのは、企業側の都合というケースも決して少なくありません。

次の特徴に当てはまる企業の場合、正社員に登用される可能性は低いと考えたほうがよいでしょう。

正社員登用制度を設けていない

そもそも正社員登用制度を設けていない企業では、契約社員から正社員になれる確率は相当低いと考えられます。

登用制度がない=絶対に正社員になれない、とは限りません。

しかし、「正社員は初めから正社員として採用する」というスタンスの企業も少なからず存在するのは事実です。

毎年新卒採用を行い、一定以上の人数を採用している企業ではこの傾向が強いでしょう。

契約社員として採用した人材を、いずれ正社員に登用するという発想そのものがない企業かもしれません。

このように、正社員登用制度の有無はその企業に「雇用条件の変更」という発想があるかどうかを見分ける目安にもなるのです。

業績が伸び悩んでいる

業績が伸び悩んでいる企業の場合、契約社員を正社員に登用する余裕がないことが想定されます。

正社員に登用すると無期雇用となるため、今後さらに業績が悪化した場合に人件費が負担となるリスクが高まるからです。

契約社員であれば、契約の更新時に「更新しない」と伝えるだけで人件費を削減できてしまいます。

業績が伸び悩んでいる企業にとって、できるだけ人件費を増やさないようにすることは重要な課題の1つです。

たとえ業績が著しく低迷していなくても、将来のリスクを抑えるために正社員登用に踏み切らない可能性は十分に考えられます。

非正規雇用の従業員を下に見ている

契約社員に限らず、非正規雇用の従業員全般を見下している企業も残念ながら存在します。

日本の雇用制度は正社員を優遇する仕組みになっているため、正社員のほうが立場が上だと勘違いし始める人もいるのです。

中には、非正規雇用で働く従業員に対して明らかな偏見を持っている人もいます。

運悪く経営者がそのような考えの持ち主の職場に当たってしまうと、正社員と契約社員を徹底的に区別して扱いがちです。

こうした職場では、契約社員から正社員に登用される確率は極めて低いと考えざるを得ません。

契約社員として働いていて、ふとした言葉の端々から「見下されている」と感じたことがあるようなら注意が必要です。

たとえ契約社員として能力を発揮したとしても、正社員への登用は話題にさえ上らない可能性があります。

職場で評価されれば正社員への道が開けると考えていた人にとっては酷な事実かもしれませんが、実際にこうした企業もあるのです。

もしこのような傾向が見られる職場で働いているようなら、現在の職場での正社員登用はあきらめて転職へと目を向けましょう。

正社員になりたい契約社員が取るべき行動とは?

契約社員から正社員を目指すなら、現在の職場で正社員登用を狙うよりも転職のほうが現実的です。

次の3つのポイントを押さえて、正社員への転職を実現させましょう。

自分のスキルセットを整理・拡張する

正社員を目指すにあたって、まず実行しておきたいのは現状のスキルセットを整理しておくことです。

現状何ができて何ができないのか、客観的に自分の能力を整理していきましょう。

ここで重要なポイントは、契約社員として現状求められている能力の範囲内で考えないことです。

前述の通り、正社員になると総合職として就業するケースもめずらしくありません。

特定の分野・領域で求められるスキルではなく、汎用的に通用するポータブルスキル(持ち運び可能な技能)にも注目しましょう。

たとえば、コミュニケーション能力や調整力、交渉力といったスキルにも着目してみてください。

自分にとって不足しているスキルがあると感じた場合は、今よりも増強・拡張していくことを意識する必要があります。

転職サイトでスカウトを受ける

在職中から転職サイトに登録し、スカウトを受け取る設定にしておきましょう。

スカウトを受け取ることで、自分のスキルや経験をどのような企業が求めているかを知ることができます。

希望する業種・職種とは異なる企業からスカウトが届く場合もありますが、まずは先入観を排して求人情報に目を通しましょう。

とくにチェックしておきたいのは、届くスカウトの給与条件や待遇面です。

年収換算した場合に現状よりも良い条件のスカウトが多いようなら、正社員になれる可能性が十分にあります。

複数の企業が「今よりも高い報酬を支払ってでも採用したい」と感じている証拠だからです。

このように、転職サイトのスカウト機能を現状の人材価値を把握するために利用するのも1つの方法です。

転職エージェントからアドバイスを得る

契約社員から正社員に転職したい人は、転職エージェントを積極的に活用することをおすすめします。

転職エージェントでは求人紹介だけでなく、キャリア相談や選考対策にも応じてもらえます。

自力で転職活動を進める場合と比べて、より良い条件の企業に転職できる確率が高まるでしょう。

また、契約社員として得た業務経験のうち、アピールポイントとして応募先企業に訴求できる強みを客観的に判断してもらえます。

自分では気づかなかった強みや長所を指摘してもらることもあるため、転職エージェントはぜひフル活用してください。

契約社員が転職する際の注意点

契約社員が転職する際に、注意しておきたい点もあります。

次の2点については、転職活動を進めるにあたって必ず押さえておきましょう。

定められた雇用期間は原則変更できない

契約社員は勤務先と有期雇用契約を締結しています。

つまり、原則として雇用契約期間内はその企業で働く前提になっているのです。

もし転職先が決まったとしても、現在の雇用契約期間が終了するまでは新しい職場に移ることができません。

退職時期(雇用契約の更新時期)と転職時期を合わせる必要がある点に注意してください。

ただし、契約開始から1年以上経過しているようなら、いつでも退職を申し出ることができます。

同じ職場で1年以上働いている場合は、転職先が決まった時点で退職を申し出ましょう。

契約社員の期間が長いとマイナス評価になることも

転職先が決まるまで契約社員の仕事を続けるという選択をする人もいるはずです。

しかし、契約社員としての就業期間が長期化すると、転職時にマイナス評価になるケースもあるため注意してください。

マイナス評価を下す理由は企業によってさまざまですが、代表的な理由として次のものが挙げられます。

  • 責任の重い仕事を任されてこなかったと見なす(思い込む)採用担当者もいるから
  • 何らかの事情で正社員として採用・登用されなかった人材と思われる可能性があるから
  • そもそも非正規雇用者を見下してかかる採用担当者や経営者も存在するから

よって、契約社員から正社員を目指すのであれば、できるだけ早い時期に転職しておくほうが有利になりやすいでしょう。

転職活動を進める際は、短期決戦を意識して複数の転職サイト・転職エージェントを併用することが大切です。

まとめ

契約社員から正社員に登用されるのはレアケースであり、そもそもハードルが高いキャリア選択といえます。

現在契約社員として働いている人が正社員を目指すなら、別の企業への転職を検討するほうが現実的です。

今回紹介してきたポイントを参考に、ぜひ正社員への転職を成功させてください。

正社員を目指すためのルートを複数確保しておくことで、転職が成功する確率をより高めることにつながるはずです。

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